20.江島生島事件 | ||||||
一方の当事者は、時の権力の中枢、江戸城大奥の女中、大年寄江島(えじま)。 江島というのは、7代将軍家継の生母・月光院つきの大年寄です。そして、 こちらもたいへんな美女であると、芝居の方では大概そうなっていますが、本当のところはお目にかかってみないことには分かりません。 さてどんな事件かというと、大奥の女中江島が芝増上寺代参の帰途、上野寛永寺代参の同役宮路と共に、女中衆を引き連れて、木挽町・山村座で遊興、帰城に遅れたという。さらに、歌舞伎役者生島新五郎と馴染みとなり、情を通 じたというものです。 世にいう不倫です。たかがこの程度のことで、権力の中枢にいる江戸城大奥の大年寄江島、神奈川県警ですら簡単に出来た事件の揉み消しが、何故出来なかったのか不思議でなりませんが、そこは陰謀渦巻く?大奥のことです。権勢争いの確執(かくしつ)でもあったのか、詳しくは知りません。 とにかく幕府身内の不祥事として、江島は信州高遠(たかとお)に流罪になり、あわれ生島新五郎は三宅島に島流しに遭いました。そして同時に、千人を超す関係者が、処分の対象となったのだから驚きです。 山村座は、廃絶になりました。いまなら免許取消し処分です。この事件以降、江戸三座となったのです。 |
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