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19.柿落し
「こけらおとし」と読みます。 「柿(こけら)」というのは、果物の柿( カキ )のことでは、ありません。「柿」とは、屋根を葺(ふ)くのに使う薄い板のことです。あるいは、また屋根を葺いたあとに残る「木片」のことを「こけら」と呼んだのです。
ところで、昔の劇場の屋根は、「柿葺き(こけらぶき)」が一般的だったので、劇場などが新築なっていざオープンということになると、屋根や建築の足場に溜まった「木片=こけら」をきれいに落として、つまり大掃除してはじめて開場の運びとなるのです。
新築の劇場などの最初の興行のことを「柿落し」というのは、ここから出た言葉だと言われています。
もっとも、江戸時代も中期以降になると、劇場の大屋根は板葺きから瓦葺きに変わったので、実際に柿を落とすことはなくなったのですが、「柿落し」という言葉だけはそのまま残ったようです。
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