かぶきのおはなし  
  132.14歳少女と40代男の恋  
 
2000年2月の歌舞伎座夜の部で、数え年14歳の少女と、40歳代の分別盛りの男性との恋をテーマにした、歌舞伎では珍しい作品が上演されました。最後は、追いつめられて二人は心中に至るのですが、その組合わせが少女と叔父さんですから驚きです。

因みに、近松門左衛門の3大心中物といわれる「心中天網島」も「恋飛脚大和往来」も「曾根崎心中」も何れもカップルは"遊女"と"成人男子"の言わば"大人の恋"です。

その作品の名は「桂川連理柵(かつらがわれんりのしがらみ)」です。男性の名は"長右衛門(ちょうえもん)"、京都柳馬場の帯屋(おびや)の主人です。40代の男盛り、仕事は真面目、分別があって温厚誠実でそのうえ女房の"お絹"を深く愛しているのです。

 
 
一方の少女の名は"お半(おはん)"。帯屋の隣家に住む、可憐で美しいこれも真面目な町娘なのです。

長右衛門が遠州への仕事の帰り、近江の国、石部の宿で丁稚"長吉"に無体(むたい、セクハラです)を仕掛けられたお半が(お半はお伊勢参りの帰途です)、長右衛門の部屋に逃げ込んだことから間違いが起こりました。たった1回の契りでお半は妊娠してしまったのです。お半の長右衛門への想いは募ります。「長さま、参る」の文が人の知るところとなり、二人は段々追いつめられて行くのです。
14歳少女と40代男の恋
 
  長右衛門は、初役で中村吉右衛門(なかむらきちえもん)が勤めました。お半の役はベテランの中村鴈治郎(なかむらがんじろう)です。

その吉右衛門へのインタビューの記事が2000年1月31日の毎日新聞夕刊に掲載されていました。吉右衛門曰く、「小説のロリータじゃありませんが、色っぽい子供っているでしょ。決して不自然な話ではありません。男女の仲は異なもの味なものですから。----」

 
   
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