61.三味線 | ||||||
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この三絃が、琉球を経て三味線という形となって日本(堺の町)に伝わったのは、16世紀の後半頃であると、ものの本には書かれています。 そして、この三味線を最初に演奏したのが、琵琶法師たちであったとされていますが、最初の演奏者が琵琶法師であったが故に、特異な発達を遂げたとも言われております。 まず第一に、胴に蛇の皮を張って作っていたものを、犬か猫の皮に変えてしまったことです。その最大の理由は、日本の湿気の多さに適応させる為で、繊細な蛇の皮だとすぐに疲労してしまうのだそうです。この結果、軽やかな音色が湿った音色になってしまったそうです。(実際に、日本の三味線を空気が乾燥したヨーロッパで演奏すると、いたずらに甲高い音色となって聞こえるのだそうです。) 次に、もともとは爪で演奏していたものを、琵琶と同様に撥(ばち)で演奏することになったということです。三味線を撥で強く弾くことによって、本来、弦楽器でありながら、打楽器的な効果を出すことになったと専門家は言っています。 第三に、「サワリ」と言って、三本の糸のうち、一番太い糸(一の糸と言います)だけは、弾いたときに棹(さお)に直接当たって振動音を出すようにしてあるのだそうです。二の糸と三の糸は、弾いても棹に触れることはないのですが、一の糸だけは弾くと棹に当たり、ブーンとかビーンとか複雑な響きを出すのが、三味線の特徴だそうです。 三味線は、胴体の大きさや皮の材質(蛇、犬、猫)、胴に乗せる駒の材質(竹、象牙、べっこう、水牛の角、骨)、撥の素材(ツゲ、象牙、べっこう)、さらに棹の太さや材質(樫、紅木--こうき、花梨、紫檀)、弦の太さ等々で様々な種類があるそうです。それでも、棹の太さで大きく「細棹」、「中棹」、「太棹」の3分類に分けるのが一般的だそうで、このうち「細棹」は長唄で、「中棹」は常磐津や清元で、そして「太棹」は義太夫で用いられるのが普通です。 なお当然のことながら、棹が太いほど低音になっていきます。 |
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