かぶきのおはなし  
  167.千秋楽  
 
相撲や歌舞伎興行で最後の日のことを「千秋楽」と言います。広辞苑によれば、語源は、(1)法会などの最終日に雅楽の「千秋楽」を奏したから、(2)演能の最後に「高砂」の最後の文句(千秋楽には民を撫で----)を謡ったから、の2説があるということです。

「千秋楽」はまた千秋万歳(せんしゅうばんぜい、幾久しく人の寿を祝する語)という言葉に通じるという意味で、幾久しく歌舞伎が栄え、初日から「千秋楽」まで大入り満員でありますようにとの願いが込められているそうです。

ただ「千秋楽」の「秋」の字が火扁であるのを嫌って「千穐楽」と書くこともあるそうですが、余り注意をしたことがないので良く分かりません。

それはともかく本書もそろそろ「千秋楽」にしたいと思います。段々と書くことがマニアックになって初心者向けには退屈なものになりそうだからです。

 
 

繰り返しになりますが、本書で私が言いたかった事は、以下の3点です。

1. 歌舞伎は美しい。----美しくなければ歌舞伎ではない。
2. 歌舞伎は決して難解なものではない。----外国人ですら理解できるもの。
3. 歌舞伎は感性で見るべきもの。----理屈っぽく考えてはいけない。

「歌舞伎のおはなし」を読んで、歌舞伎を見てみたいという方が一人でも多く現れることを期待して終わりにします。

千秋楽
 
   
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